歯根からの毒

歯の神経を抜いた後、全身の健康に影響があるかもしれない理由

YouTubeの健康歯科チャンネル#2
『なぜ歯の神経を抜くと健康を害するのか』
動画の文字起こしバージョンです。
 

 

プロローグ

 
こんにちはYouTube『健康歯科チャンネル』歯科医師の大橋康之です。

解説したばかりのチャンネルですが、健康と歯科の関係について、様々な情報を取り上げてお伝えしていきたいとおもいます。

今日からしばらくは、歯の神経を抜くとどうなるのか?どんなふうに健康に害を及ぼすのか?というお話をしていきたいと思います。今日はまずその序文というか概略ですね、お話ししてまいります。
 

歯の神経はこのようなものです

 
なぜ歯の神経を抜くと健康を害するのでしょうか。

まずは、基礎知識として「歯の神経って何?」っていうことを理解していただきたいと思います。

歯の神経というのは正式名称 歯髄と言いまして、その歯髄を構成しているのは結合組織です。結合組織というのはコラーゲンとかエラスチンを含むタンパク質性の繊維ですね。いわゆる有機物なわけです。

それが歯の真ん中に中心に通っているわけですね。骨髄のように歯の中にあるものです。その歯髄に含まれる組織は何か?といいますと、まあ通称神経というぐらいですから神経はあります。

痛かったり温度を感じたりする知覚神経の作用をしているということですね。

虫歯があれば痛いと教えてくれたりとか、 熱かったら熱いと教えてくれたりとか、歯がしみたりとかですね。冷たいものを含むと口に含むと歯がしみたりなど、知覚を司るわけです。

後もう一つ含まれるのが血管ですね。その血管はに血液を供給しています。その血流によって歯は生かされているんですね。
 

つまり歯は生きた臓器なんです。

 
その供給される血液によって、歯は生かされ新陳代謝があるんですね。一見、何の変化もない組織のように見えますが、歯というのは新陳代謝があるんです。

そういう役割を持っているのが歯髄です。では、歯髄を抜くってどういうことなのでしょうか?

それは神経が奪われ血管が奪われるということです。つまり血が通わなくなる。生きていた臓器が「死んだ臓器」ただの有機物になってしまうということですね。

英語でdead toothです。

直訳すると死んだ歯ですね。専門用語的には「失活歯」と呼びます。

逆に歯髄のある歯は「生活歯」というんですね。
 

歯の神経が死んで失活歯になると

 
では死んだ歯では何が起きるのか?もちろん有機物ですから、自然の摂理として室温に放置しておけば有機物は必ず腐るわけです。

どんなに手厚く根っこの治療をして消毒したとしても、その存在そのものは有機物ですから、いずれ朽ち果てていくものですね。どうして朽ち果てるのかというと、腐敗するからです。

細菌が繁殖し繁殖することによって毒素が発生します。肉を放置しておけばいずれドロドロに腐って、液が染み出してくるわけですよね。それと同じです。

それがすぐ起きるのか、長い時間をかけて起きるのか、の違いですね。

歯の場合は硬組織もたくさん含みますから、硬い組織もたくさん含みます。

腐敗するのに時間がかかるというだけの話なんですね。結果的に毒素が染み出してきて細菌を拡散していくイメージとしては、こんな感じ。
 

 
ちょっとお絵かきしてみましたけど、こんな風に拡散していくのですが、顎の骨にも血が通っているわけです。ここにあった顎の骨にある血液は、数分後には心臓にいるかもしれない。脳にいるかもしれない。指先にあるかもしれないし、足の指先にいるかもしれない。

全身を巡っている血液。その血液の流れに歯の根っこから出ている毒素が供給される。バイ菌が供給されていくのです。
 

つまり歯の問題、顎だけの問題、だけではないですね。必ず全身に波及する問題です。

 
それが症状としてあらわれるのか、現れないかは置いといて、影響は全くゼロではないはずなんですね。

今後のYouTube歯科健康チャンネルで、どんな影響があるのか、なぜそういう影響が及ぶのか、なぜ影響が起きるのか、という話もしていきたいと思います。

今日は「歯髄とは何か」「神経抜いたらどうなるのか」について基礎知識のお話をしました。

そして今後、お伝えしたい事は「歯髄を抜いた歯」(死んだ歯)からどんな毒素が出るのか?というお話です。

以下のような内容です。
 

 
死んだ歯からは、いろんな種類の毒素が出ます。その毒素はどんな影響があるのか?どんな健康被害があるのか?歯髄を抜いても毒素が出ないようにする方法は?

では仮に、毒素が出て行ったとして、その毒素が出ている失活歯を再治療すれば毒素は出なくなるのか?そうなる前にそれを防ぐ方法や、歯髄を抜かずに温存する方法はあるのか?などについても、今後詳しく解説していきます。

 
歯髄に達するほどの深い虫歯をC 3と呼びますが、C3まで進行した虫歯であったとしても、もしかしたら歯髄を残す方法があるかもしれない。その方法についてお話ししたいってのもありますしね。

では死んだらどれぐらいの毒素が出てきているのか?それを測定する方法はあるのかないのか?あるとしたらどういう方法なのか?など。また、毒素が出ている死んだ歯を、どうすればいいのか?など解決法についての話もして参りたいと思います。

いっぺんにはお伝えできないので、理解しやすい様に少しずつお話していく予定です。

またの更新を楽しみにしてください、それではまた。

 

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