歯科と全身は密接なつながりがあります
虫歯や歯周病、それらに関係するお口の中の菌などが、全身の症状や病気と関係していることが、ネット社会になってからよく知られる様になりました。
元米国歯周学会会長であるニューマン博士(Clifornia大学)が、 『歯周病』と『全身の疾患』(心臓病、心筋梗塞、呼吸器疾患、糖尿病、早産など)への影響についての研究を2001年に発表してから、歯と全身疾患の関連性について世の中の関心も高まりつつあります。
また、虫歯が進行し、歯の根っこの先に膿が溜まってしまう感染根幹が原因で、皮膚に影響が現れることも欧米では知られる様になりました。
この様に、歯科と全身には密接なつながりがあるため、歯科治療によって全身の症状が改善することがあるのです。
それとは逆に、歯科治療をしたことが原因で引き起こされる病気もあり得るのです。
それらは『歯原病(歯が原因の病気)』と呼ばれています。
歯科治療が原因で起きる病気(歯原病とは?)
歯科治療を施行した後、歯や歯茎のケアーを怠ったり、慢性的に強いストレスを受け続けたり、事故や怪我などで身体が変化した場合、歯原病へと進行することがあります。
もちろん何十年という時間の経過によっても、過去に治療したところを再度やり直す必要も出てきます。
その他さまざまな原因によって『歯原病(しげんびょう)』へと発展することがあり得るのです。
歯原病(しげんびょう)になる可能性のある歯科治療の例を挙げてみましょう。
【1】感染根管・顎骨病巣
【2】水銀アマルガム
【3】歯科金属。歯科材料アレルギー
【4】ガルバニー電流
【5】歯周病
【6】奥歯の噛み合わせが低い
これら1つ1つの項目と歯原病について、次の項目から解説していきます。
*患者様の『歯』の問題を解決することで、健康状態も改善されるケースが多々あります。
当院で提供しているホリスティック歯科治療では、『歯』の問題と、体の症状の関係性を調べていき、もしも関係している箇所があれば「不調の原因」を解消していきます。
【1】感染根管・顎骨病巣で起きる不調
歯の神経すなわち歯髄が死んで腐敗しているか、歯髄を抜いてであるが中で細菌が繁殖している歯の事を感染根管と呼びます。
顎骨病巣とは抜歯した痕に顎の骨が空洞化してそれが病巣となることを指します。
その感染根管歯と顎骨病巣が原因で起きるお体の不調は以下の通りです。
・リュマチ
・線維筋痛症
・橋本病
・シェーグレン症候群などの膠原病
・湿疹・皮膚炎(アトピー性皮膚炎など)
・慢性疲労症候群
・心臓病(弁膜症など)
・腎臓病(ネフローゼなど)
・感染根管歯や顎骨病巣と経絡的に関連のある臓器の不調(発癌など)
*ホリスティック歯科治療により、感染根管を無菌化する治療を施すことで、リュウマチや線維筋痛症やアトピー性皮膚炎が回復しています。
【2】水銀アマルガムの歯の詰め物で起きる不調
水銀アマルガムの歯の詰め物で起きる体の不調は以下のものがあります。
・偏頭痛
・うつ
・嘔吐・下痢
・過敏性腸症候群
・慢性疲労
・皮膚炎(アトピーなど)・湿疹
などが挙げられます。
*詳しくは、歯科コラムのコーナーに掲載されている「水銀は深刻な健康被害をもたらす」をご参照ください。
【3】金属など歯科材料アレルギーで起きる不調
近年、アレルギー症状の元となっている「アレルゲン」を調べる方も増えてきました。もしも「金属アレルギー」が確認された場合、速やかにお口の中に入っている金属を除去することをお勧めします。
金属を除去するときは、金属の削りカスを体にとりこまない様に、万全の処置をして安全に金属を取り外すことが重要になってきます。
せっかくお口の中から金属を除去するのに、金属粉を飲み込んで体内に取り込んでしまっては元も子もありません。
その次のステップでは、当院で行う場合、体がアレルギー反応を起こさないような(体が受け入れられる)歯科材料はどれか?を探していきます。
もちろんそれは、金属ではない素材の中から選びます。メタルフリーの材料の中で、その人の身体が受け入れられる(アレルギーを起こさない)歯科材料を代わりに入れる治療を施します。
*アレルギー性皮膚炎など皮膚に問題がある患者様が、アレルゲンである金属を除去することで、健康な皮膚を取り戻しています。
詳しくは以下のコラムを参考にしてください。
「メタルフリー(金属を使わない)歯科治療とは?」
「金属アレルギーの症状はどんな所に現れる?」
「金属アレルギー」
「お口の中の金属が引き起こすかもしれない症状」
【4】ガルバニー電流で起きる不調
お口の中の金属が、口腔内に電流を発生させることがあります。その電流を「ガルバニー電流」と言います。
ガルバニー電流は、人の自律神経を乱したり、健康な脳波に影響を与えたりすることで、身体に作用することがあります。
お口の中にある金属がガルバニー電流を発生させているかどうか?は、機械で計測することが可能です。
直接、噛み合っている歯に金属が入っているかどうかは、関係ありません。お口の中には水分(唾液)があるため、電気を通してしまうためです。
上の歯だけに金属が入ってる場合や、左上と右下だけに金属が入ってる場合など、いろいろなパターンにおいてガルバニ電流が発生するので、しっかりと計測することが不可欠です。
インレーやクラウンなどの金属の補綴物だけでなく、インプラントを支えている土台の金属がガルバニ電流を発生させるケースもあります。
ガルバニー電流で起きるお体の不調は以下のものがあります。
・五十肩などの関節のフリーズ
・頚椎症・首が曲がらない
・首のこり(頸筋症候群)からのうつ病など
・眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
・耳鳴り
・顎関節症
・頭痛
・不整脈
お口の中の電流を計測して、高すぎる電気の値を示している金属がある場合、高い数値を発生させている金属をお口の中から除去します。
除去する順番は、原則として電位が高い金属から除去していきます。
*電位の高い金属を除去することで、五十肩、眼瞼痙攣、不整脈などから回復するケースが多数あります。
*こちらの記事『ガルバニー電流について』も合わせてお読みください。
【5】歯周病で起きる不調
食生活や環境の変化により、歯周病の方が増えています。厚生労働省によると、25~34歳の年代の方のうち歯周病に罹患している人は約80%、45~54歳では88%にも及ぶそうです。
歯周病を引き起こす菌、そして歯周病になってから発生する菌、これらが全身の健康にとって悪影響を及ぼしています。
歯周病で起きるお体の不調とは以下の問題が起きる可能性があります。
糖尿病
動脈硬化
高血圧
狭心症
心筋梗塞
脳梗塞
早産
低体重児出産
などが挙げられます。
*歯周病はお口の中だけの問題ではありません。健康を守るために歯周病の定期的検査と予防と治療を行いましょう。
【6】奥歯の噛み合わせが低いことで起きる不調
奥歯の噛み合わせが低すぎる場合、見た目の問題だけにとどまらず、私たちが想像するより大きな健康問題に発展する恐れがあります。
何故ならば、噛み合わせが不自然だと頭の骨のさまざまな部分に歪みが生じるからです。
・脚力低下
・握力低下
・バランス能力の低下により転びやすくなり骨折しやすくなり寝たきりのリスクが高まる
・認知機能の低下
・認知症
・高血圧
・首の凝り(頸筋症候群)
などが挙げられますが、中でも認知症に関しては気をつけなくてはなりません。
奥歯の噛み合わせが低すぎるために、奥歯でしっかりものが噛めないと、首が凝って脳への血流が低下するので「認知症」を悪化させることがあります。
首が凝っていると、脳への血流が低下するので、高血圧になります。
首のコリ固まりによって、自律神経の不調が起き、うつ病や不定愁訴がおきます。
また首のコリによって、認知症の原因といわれている物質「アミロイドβ」の排泄が滞ります。そしてアミロイドβが脳内に蓄積してしまい、認知症リスクが高まることがわかっています。
奥歯でしっかり噛めないと脚力が低下しバランス感覚も悪くなります。すると転びやすくなってしまい、骨折のリスクが高まります。骨折から寝たきりに移行する危険性も増加します。
奥歯で左右均等にしっかり噛むことのできる状態を取り戻すことで、認知症、高血圧、骨折からの寝たきりなどの危険性を減らすことができます。
奥歯の高さを正常に戻すと、脚力や握力など筋力を向上させることができ、バランス能力を高めます。
また、首のコリから来る「うつ病」や「自律神経の不調」を防ぐこともできます。
つまり奥歯でしっかり噛めることが、良好なQOL(人生の質の向上)や、長い健康寿命、明るい心と気持ちの良い体を保つ助けになるのです。
*当院では、奥歯で左右均等にしっかり噛むことで健康増進を補助する歯科治療を提供しています。
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