重金属・金属アレルギー

水銀は深刻な健康被害をもたらす

 

公害病の原因物質だったメチル水源

 


未曾有の公害病で知られる水俣病。原因は水俣湾の魚介類に含まれていたメチル水銀(有機水銀)でした。

水俣病は神経を侵される病気として知られ、主な症状としては中枢神経障害があり、重篤な場合は狂乱して気絶するというような激しい症状もありました。

また胎盤を通じて胎児にも水銀が移行して生まれてきた乳児にも水銀中毒の症状が出たという記録があります。

 

生活の中の水銀

 


1973年に製造中止となった傷薬である「赤チン」ことマーキュロクロムチンキの成分の一つとして水銀(実はメチル水銀でした)が使われて来ました。

マーキュロクロムのマーキュロとは水銀(マーキュリー)のことです。

また予防接種の一成分として水銀の化合物(チメロサール・これも有機水銀)がいまだに使用されていて、その水銀化合物が自閉症の一原因になるという有力な説があります。

歯の詰め物として50%もの水銀含有量を持つ水銀アマルガム(無機水銀50%の含有量)が古くから使用されてきました。

先進国では禁止されたり、使用が制限されるような流れがあります。

しかし世界の潮流に反して日本では未だに何の動きもありません。このような現状を鑑みるときに「水銀の毒性」に関する認識不足が深刻であると言わざるを得ません。

医師や歯科医師の中ですら「無機水銀は無害」であると堂々と言っている人もいるようですが認識を新たにして欲しいものです(私の高校時代の生物の先生は無機なら無害と言っていましたが、、、)。

「無機水銀でも有害である」ということはかなり前から科学的にまた経験的に立証されていることなのです。

また魚介類、特にマグロのような他の魚を捕食する大型の魚には高濃度で水銀が含まれます。

WHOでは妊婦がマグロなどの大型魚を食することに警告を発してます。

 

無機水銀の害は古くから知られていた

 


もとより水銀と人間の関わりには長い歴史があります。

古くは古代エジプトでミイラの化粧や保存、墓の修飾、日本では奈良大仏の鋳造に水銀が使用された記録もあります。

中世のヨーロッパでは焼成メッキや帽子製造で水銀が用いられていて、帽子屋が水銀中毒による精神症状(精神錯乱・発狂)を呈するのを捉えて「帽子屋のように気が狂った」というような成句まで生まれました。

「不思議の国のアリス」に登場する「きちがい帽子屋(マッドハッター)」はそのような事実から来ています。

また水銀は梅毒の治療のための薬というように医療でも用いられていました。

水銀には強力な殺菌力があります。

殺菌力ということは表現を変えると、それだけの毒性があるということです。

やがて水銀の副作用が強すぎるために治療薬としての水銀はすたれて行きます。

当時は梅毒の治療目的で使用されていましたが同時に無機水銀の毒性の人体実験になってしまっていたのです。

ですから約200年前にはすでに無機水銀の毒性は明らかだったのです。なにしろ人体実験で立証されていたのですから。

そのような実証的な証拠があるのにもかかわらず、どういう間違いがあってか、マーキュロクロムや水銀アマルガムが開発され実用化されてしまったわけです。
 
当時から知られていた水銀の害には以下のようなものがあります。

精神錯乱、
記憶障害、
下血、
口腔粘膜潰瘍、
歯肉炎、
手足の震え、
中耳炎、
頭痛、
湿疹、
結膜炎、
下痢、
鼻咽頭炎、
膣炎、
尿道炎、
膀胱炎、
腎臓障害などです。

水銀は人間が活動するエネルギーを生成しているミトコンドリアの中に入り込み、その活性を低下させます。

また水銀は体内のイオウと結びつくと簡単に脳内に入り込み脳神経に結合します。

そうすると神経細胞の膜を変性させたり、微小管構造を破壊し、たんぱく質合成阻害により神経細胞を破壊します。

その結果として記憶障害、震え、不眠症、小脳運動失調症(バランスが取れない、運動障害)などが起こります。

 

水銀の急性毒性

 


気管支炎、
肺炎などの呼吸器疾患、
出血性胃腸炎、
下痢、
嘔吐、
腹痛、
腎不全、
皮膚疾患、
中枢神経障害、
胎児への影響、
母乳への高濃度の移行

などがあります。

 

水銀の慢性毒性

 


虚弱、
慢性疲労、
体重減少、
食欲不振、
歯肉炎、
唾液過多、
糸球体腎炎、
肝臓障害、
イライラ、
「キレる」症状、
抑うつ

などの各種神経症状、発癌などがあります。

 

水銀の神経症状

 


運動失調、
求心性視野狭窄、
構音障害、
味覚障害、
不眠症、
感情不安定、
記憶障害、
筋肉のふるえ、
躁鬱症、
痴呆症(アルツハイマー)

有機水銀のみならず無機水銀でもこれほどの有害性があることを理解していただいたと思います。

仮に無機水銀に毒性が無くとも、無機水銀はフッ素と出合ったり、腸内細菌の作用で有機化してしまうのです。

アマルガムの詰め物がある人はフッ素入りの歯磨きペーストを避け、歯科医院でのフッ素塗布も控えましょう。

口の中に水銀アマルガムの詰め物がある方はできるだけ早く安全な方法で除去することをお勧めします。

間違っても無防備に削り取らないようにしてください。

 
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