増え続ける金属アレルギー
金属アレルギーの潜在患者は1000万人といわれています(2018年12月現在)。
ですから国民の10人に一人弱に、金属アレルギーがあると推測されていると考えられています。
金属アレルギーになるとアレルゲンの金属に触れている部分に、「皮膚炎」などが発生します。
それだけでなく、金属が触れていないその他の部分に発疹ができる場合もあります。さらに、全身に発疹が出るケースもあるのです。
主に、アクセサリーや時計などの身に着ける金属製品によるもの、もしくは、歯科で使う金属が「金属アレルギー」の原因となっています。
少し含まれている危険な金属
アレルゲンになりやすい金属のナンバー1は、『ニッケル』です。
ニッケルは、ピアスなどのアクセサリーに含まれていることが多く、女性が耳に穴あけてピアスを付け始めることがきっかけで金属アレルギーを発症することが多々あります。
ニッケルとパラジウムは組成的に同じ仲間にあたりますので、「ニッケル」アレルギーの人は、「パラジウム」にもアレルギーを起こす確率が高いようです。
『パラジウム』という金属は、保険の銀歯 (金銀パラジウム合金)に含まれているものです。
でも実は、保険の銀歯だけでなく、保険外の多くの「白金加金」にもパラジウムは使用されているのです。
さらに、『白金加金』に含まれている白金(プラチナ)も意外とアレルゲンになることが多いようなので要注意です。
また金歯に含まれる『銅』もアレルゲンになりやすい金属です。
ですから歯科で使う金属全般に対して留意を払う必要があります。
欧米で禁止されているニッケル
このように、金属アレルギーの危険性があるため、欧米ではアクセサリーに『ニッケル』を使うことが禁止されています。
しかし、日本や東南アジアでは未だに禁止されていないのが現状です。
『ニッケル』をアクセサリーに使うことで金属アレルギーの人が増えます。そして、その人たちがやがて歯科金属にもアレルギーを起こすことになる可能性が高くなるのです。
わが国でも、アクセサリーにニッケルを使用することについて、早急に考え直す必要があります。
お口の中に入れた金属が少しづつ溶け出す
金属アレルギーは突然発症します。
長年口の中に入っている歯科金属が「イオン化」して溶けだしたものが、体に取り込まれて、ある日突然アレルギー反応を起こして猛威を振るい始めるのです。
そのようなことが起きる前に、早いうちからお口の中の金属をメタルフリーにしておくと安心でしょう。
インプラントの本体に使われている金属
いままで安全といわれてきた『チタン』という金属にもアレルギーを起こす人が増えてきているようです。
「チタンのインプラントにアレルギー反応を起こす人がいる」との報告が、最近以前にも増して耳に入ってくるようになりました。
『チタン』といえば入れ歯やインプラントに良く使われる金属です。
入れ歯ならば問題が起きれば口から外しておけばよいのですが、インプラントの場合は顎の骨に埋まってくっついていますので、容易には外せません。
チタンは、安全で生体に親和性があると言われることがありますが、この件に関しては是非が問われます。
チタン製ののインプラントを顎骨に植えることには、慎重にならざるをえません。
しかし、世の中のほとんどすべてのインプラントはチタンが使用されているので選択肢があまりないのが現状です。
チタンに数パーセントニッケルが含まれているものも
もう一つの心配な点は、チタン製のインプラントには、数パーセントの『ニッケル』が含まれているという事実です。
『ニッケル』といえば、金属アレルギーの元となるアレルゲンの中でも、ナンバー1の悪者になっている金属です。
たとえ「うちのインプラントは純チタンだ」と表明しているメーカーのものでも、どうしてもニッケルは不純物として含まれてしまうようなのです。
ニッケルが金属アレルゲンのナンバー1ということを考えると、なおさらインプラントを顎の骨に植えることは慎重にすべきだということがわかります。
インプラントをするならこの素材
インプラントを希望する方々は、
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*入れ歯は違和感があるから、
*入れ歯は発音しずらい、
*入れ歯はよく噛めないし外れてくる、
*入れ歯は食片がはさまって不潔である、
*入れ歯は見た目が悪い、
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このように、入れ歯に不満がある人が多いのです。
またインプラントを希望する方々の中には、
*ブリッジは歯のない部分の両側の歯を大幅に削るのに抵抗がある、
*歯を削ると虫歯になりやすくなり歯の寿命が短くなるのがいや、
*ダミーの歯の部分から息が漏れるのに不満がある、
*ダミーの歯の下に歯垢がたまるのが不潔でいや、
**結局少ない歯で多くの力を負担することになるので歯の寿命が縮まるのが心配、
というように、ブリッジに不満や不安がある方も多いようです。
どうしても入れ歯やブリッジに不満や不安がある、でもインプラントは金属製だし金属アレルギーの恐れがあり、金属であれば電流が流れる、だからそれを顎骨に植えてしまうことには不安がある」
そのような場合は、どうしたら良いのでしょうか?
第三の選択として、ノンメタルの『ジルコニア・インプラント』を選ぶことも良い選択です。
『ジルコニア・インプラント』と、一言でいっても複数のメーカーの製品があります。
その中から1つを選択するには、「製造方法」、「品質の良さ」、「折れにくさ」、「骨に対する接着しやすさ」、「成功率の高さ」、など、インプラントそのものだけでなく、使用する機材(特に骨に穴をあけるドリル類)もジルコニアなどのメタルフリーで作られていることが条件になります。

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